よろずやジロー~宮本次朗【プレカットの宮本工業グループ相談役】のブログ

プレカットの宮本工業グループ相談役、宮本次朗の一代記。人生を彩る貴重な出会い、感銘を受けた言葉を振り返りつつ、明日を語ります。

ありがとう仁坂知事~さらなるご活躍を願って

和歌山県庁知事室にて仁坂さんと。

 仁坂吉伸和歌山県知事が令和4年12月16日をもって退任されました。4期16年、その類い稀なリーダーシップで県政を牽引してこられたことにまず敬意を表します。
 思い返せば16年前、前知事が官製談合を主導したとして逮捕され和歌山に大きな衝撃が走りました。相前後して福島・宮崎の両県でも知事が同様の容疑で逮捕されたことから、後任の第一条件がクリーンな人物であることに絞られたのはいうまでもありません。そして白羽の矢が立ったのが仁坂さん。和歌山県立桐蔭高校から東京大学に進み、通商産業省(現・経済産業省)に入省。のちに外務省に転じてブルネイ王国大使を務めた経歴と実直な人柄を買われての推挙だったと聞いています。実際のところ私は仁坂さんの二選目の選挙のときまで、とある事情(※1)から面識がなかったため、初当選時の心持ちは知る由もありませんが、前知事逮捕の後を受けて就任するプレッシャーたるや、相当なものだったと推察します。
 『談合システムからの訣別』を御旗に掲げて務められた一期目の最終盤、私は仁坂知事と初めてお目にかかりました。その際のやりとりも脚注のブログに書きましたが、印象をひと言で表現すれば「剛にして柔」。言うべきことははっきり言う一方で、それ以上に聞く力を持っている方だと確信しました。以来、仁坂さんとはことあるごとに話をする関係となり、解決をお願いした木材港団地の私道公有化問題(※2)では即断即決。議会の了解も取り付け、見事に最良の結果を導き出してくださいました。
 そんな仁坂さんのリーダーシップが遺憾なく発揮されたのが新型コロナウイルスへの対策です。『和歌山モデル』と称されるメソッドは、迅速な検査の実施や感染者全員の入院、感染経路の徹底追跡など、ときには国の指針に公然と異を唱えつつ敢行されたもの。現場の専門家の意見を取り入れ、信じた道を行く様はまさに仁坂さんの面目躍如。「剛にして柔」を体現した取組みでした。
 4期16年。まだまだこれからと今後を期待する声のなか勇退を決められた理由として、奥様の体調不良によるところが大きいやに聞いています。「夫は私しかいない」とのコメントは、家族を二の次にしてきた私にとって、胸に刺さることばでした。仁坂さんには思う存分、ご家族との時間を過ごしていただければと思います。
 とはいえ仁坂さんは私より4つも年下。まだまだ老け込む歳ではありません。『和歌山研究会』を主宰されるとのことですので、これまで得られた豊富な見識を生かして今後も様々な方面で活躍されることを期待しています。16年間、本当にお疲れ様でした。そしてありがとうございました。

※1 2021年1月11日付け『最悪な出会いと最高のお付き合い』参照。

※2 2019年11月21日付け『木材団地の共有私道にまつわるエトセトラ②』参照。