東京五輪2020のメイン会場となった新国立競技場。その設計を担当した建築家・隈研吾さんと会食する機会に恵まれました。
そもそものきっかけは、今年の2月16日、和歌山県と株式会社隈研吾建設都市設計事務所が地方創生についての包括連携協定を全国で初めて結んだこと。そして2月28日、和歌山県主催の『和歌山県企業誘致・転職なき移住フォーラムin東京』が千代田区のイイノホールで開かれ、仁坂吉伸和歌山県知事の挨拶に続いて隈さんが基調講演。講演後に名刺交換した際、食事にお誘いしたところ、今月になって実現したという次第です。
当日集まったのは、隈さんと氏の事務所の和歌山県担当・増子宏昴さん、和歌山県の下宏副知事と県職員2人、そして私の合計6人。本当に楽しく、有意義な時間を過ごすことができました。
さてここからは裏話です。日本を代表する建築家にお会いするせっかくの機会。いろいろお話ができればいいなと思った私は当日までの数日間、いろんな資料を引っ張り出し、多くの時間を勉強に費やしました。まずは会食の場『なだ万』が入る帝国ホテル東京についての復習です。
■帝国ホテルのライト館を設計したのは近代建築三大巨匠のひとり、フランク・ロイド・ライト。
■彼のもとで学び、ライト館の建設にも携わったアントニン・レーモンドは、のちに東京で設計事務所を開設し多くの作品を手がけた。
■そのレーモンドのもとには、のちに日本を代表する建築家となる吉村順三、ジョージ・ナカジマ、前川国男ら若き日本人スタッフが集まった。
■このためレーモンドは建築家、教育家の両面から「日本近代建築の父」と呼ばれている。
こういった内容をおさらいし、さらに資料を読んでいると・・・。興味深い記述がありました。1954年、アメリカ・ニューヨーク近代美術館の中庭に再現され、のちにフィラデルフィアのウェスト・フェアマウントパークに移築された日本の『松風荘(書院造の建物と庭)』。その設計者として先ほどの吉村順三の名前があったのです。しかも松風荘といえば、私事で恐縮ながら開催に向け手を尽くしている『日米草の根交流サミット和歌山大会』(コロナ禍で延期、2020年5月1日付ブログ参照)に関連し視察を計画していた場所。思いもよらぬ偶然に心が震えました。
そんなこんなで仕込んだ知識を酒の肴に臨んだ隈さんとの会食。話のきっかけができたことで宴は盛り上がり・・・。食事のあとは私得意の銀座へ繰り出したのでありました。