よろずやジロー~宮本次朗【プレカットの宮本工業グループ相談役】のブログ

プレカットの宮本工業グループ相談役、宮本次朗の一代記。人生を彩る貴重な出会い、感銘を受けた言葉を振り返りつつ、明日を語ります。

隈研吾さんとの会食再び

隈さんの事務所のカード。裏面に丁重なメッセージ入りでいただきました。

 昨年7月25日付けの当ブログ「期待と緊張が交錯した会食」の相手である建築家・隈研吾さんと再び夕食を共にする機会がこのほどありました。再会に至った経緯はこうです。昨秋、隈さんが来和された際「以前、食事をご一緒した宮本さんを食事会に招きたい」と、氏から和歌山県の職員に話があったとのこと。その旨を聞いた私は下宏副知事と相談のうえ、私が上京して食事会を開くことを逆提案しました。そして双方の都合がついた2月10日、帝国ホテルの『中國料理北京』でお会いすることになったのです。
 当日参加したのは隈さん側が2人。こちらは岸本周平和歌山県知事と奥さんの飯田香織・NHKメディア総局報道局経済部デスク、下副知事、県職員と私の9人でした。このうち岸本夫妻と隈さんは旧知の間柄、私もお目にかかるのが3度目ということで会食は最初からざっくばらんな雰囲気。会話が弾むとともにお酒も進みます。そして楽しい宴は舞台を本館のバー『インペリアルラウンジ・アクア』に移してからも続きました。
 バーでの会話でとくに印象的だったのは、コンクリート造の超高層ビルが象徴する「集中と都市の時代」からの訣別を隈さんが模索されていることでした。地球環境のさらなる悪化を防ぐために何をすべきか。氏は解決のヒントが、自然とともに歩むことを基本とする東アジア、とりわけ日本の文化にあるとおっしゃいました。森に木を植え、育てばありがたく使う、使えばまた木を植える。そうした考えが世界に広まれば、おのずとサステナビリティ(持続可能性)が高まるはず・・・。私は、当社の主要取引先のひとつである住友林業が330年あまりにわたって続けてきた営みとの共通性を感じつつ、隈さんのお話に聞き入りました。
 硬軟織り交ぜたよもやま話に花が咲き、気付けば時刻は23時近く。名残を惜しみつつ散会となったこの日の会食でしたが、実は今後、隈さんとお目にかかる機会が増えそうです。というのも隈さんの事務所は昨年、和歌山県と「建築デザインの力による地方創生の実現に資する包括連携協力に関する協定」を締結。同事務所の設計で改修中のパーク県信ビル(和歌山市八番丁)に関西エリア初の拠点となる和歌山サテライトオフィスを置くことが決まっているのです。オープンは今年の4月。隈さんも折に触れて来られるとのことでしたので、来和の際にまたご一緒できればと楽しみにしています。