よろずやジロー~宮本次朗【プレカットの宮本工業グループ相談役】のブログ

プレカットの宮本工業グループ相談役、宮本次朗の一代記。人生を彩る貴重な出会い、感銘を受けた言葉を振り返りつつ、明日を語ります。

春待つ和歌山城をウォーキング その①

還暦祝いの赤い衣装の永島社長と私たち。

 昨年11月15日付けの当ブログ「素敵な人物との出逢い」でご紹介した永島英器さんが社長を務める明治安田生命は、全国で『Jリーグウォーキング』という健活イベントをリレー開催しています。そのイベントの和歌山第2回を開くという計画を聞いたのは昨年秋のこと。当社にも協力してほしいとのことだったので「同じやるなら規模を大きく、和歌山からは首長、貴社からは永島さんにもご参加いただきましょう。」と逆オファーを出しました。すると、これを快諾された明治安田生命側がイベントを大型化し、県内9つの道の駅が集結する物産イベントも企画してくれました。
 開催日である2月18日を前に準備は万端。17日には私の音頭取りで主要メンバーによる前夜祭を行いました。会場は和歌山市十番丁のフレンチレストラン『ラ・ヴェランダ』。明治安田生命から永島社長をはじめ4人、和歌山サイドからは岸本知事、下副知事、尾花和歌山市長、紀陽銀行の松岡会長・原口頭取、当社の社長と私。双方合わせて11人が出席しました。そして食事を前に自己紹介を兼ねたスピーチをし合ったのですが、そのうち永島さんのお話の要旨を紹介したいと思います。

 コロナ禍とウクライナの戦争で、私たちは「国家の復権」をまざまざと見せつけられた。疫病が流行れば国家は市民に一歩も外に出るなと命じることができる。戦争になれば命がけで戦えと命じることもできる。国家の復権に伴い、新自由主義やグローバリズムは退潮した。同時に、強大な国家がデジタル監視社会を創るリスクも意識せざるをえない。こうしたなかで、次に私たちが果たさなければいけないのは「人間の復権」。 デジタルやアルゴリズムを手段として活用しながらも、そうしたものと対極にある絆・融合・共感といった人間らしさが尊重される人間中心の社会を創り、次世代に残さなければならない。「人間の復権」のためには、「居場所」としての地域の復活・創生は欠かすことができない。明治安田生命は、地域創生に全力で取り組む。
 自分は、全体主義的な考え方が嫌いで、一人ひとりの価値観や幸せを何よりも大切に考えている。会社の常務時代に、相談役に、「働く仲間を誰よりも愛している自信はあるが、会社という抽象的な存在を相談役のように愛している自信はない。こんな人間が役員でいいのでしょうか?」と尋ね、「それでいい。自分らしくあれ。」と言われ涙が溢れた。いま社長として、自分らしく務めていられるのは、その言葉のおかげである。
 本日、還暦に際し、相談役のお声かけで、和歌山を代表する皆さまにお会いできて、感謝感激である。スティーブ・ジョブズの有名なスピーチのとおり、さまざまなご縁や出来事が点となり、それらが、後になってつながることを実感できる幸せな瞬間。これは歳を重ねてこそわかる人生の宝物と思う。

 以上、私にとっては面映ゆい内容でもありましたが、このお話をきっかけに、食事中は和歌山と世界を結ぶグローバルな観点からの歓談が続き、大変有意義な一夜となりました。またこの日は永島さんの還暦前夜。皆で盛大にお祝いしたところ、ご本人から「何かメッセージを書いてほしい」と言われました。私は少し考えたのち、元自民党副総裁・大野伴睦がモットーとした『義理と人情とやせがまん』を自分は見習っている旨をメモしお渡ししました。後日、このメモの件も踏まえた丁重な礼状をいただき、恐縮した次第です。
 さて前夜祭は盛会のうちにお開きとなり、いよいよウォーキングイベント本番へ。その模様についてはまた次回。