よろずやジロー~宮本次朗【プレカットの宮本工業グループ相談役】のブログ

プレカットの宮本工業グループ相談役、宮本次朗の一代記。人生を彩る貴重な出会い、感銘を受けた言葉を振り返りつつ、明日を語ります。

彼が未来に見据えるものは

経産相当時の世耕さんと私

 コロナ禍で延び延びになっていた会食の約束。どちらからともなく「そろそろどうよ」となり、先日、世耕弘成参議院議員と夕食を共にしました。場所は帝国ホテルの鉄板焼『嘉門』。5人で座れる個室カウンターに二人きり。居心地が良いのやら悪いのやらとおそらくお互いに思いながら、まずはハイボールで乾杯です。
 世耕さんとは、彼が3選出馬する際、和歌山木材協同組合の理事長として推薦状をお渡ししてからのお付き合い。参院幹事長としてSPが付くようになる前は、大人数でわいわい会食することもよくありました。ですから、今回の会食も久しぶりとはいえざっくばらん。ちょうど話題になっていた、国会での世耕さんによる総理批判質問について直球で尋ねると、真意をそれこそざっくばらんに語ってくれました。どんな答えだったかは記しませんが、私からは「相手の立場を尊重した質問を。自分の納得は相手の不満ともいいますよ」と、これまた直球な意見を申し述べた次第です。
 お酒がハイボールから赤ワインへと進むにつれ、私の直球は剛球に。「衆院への鞍替えはするのか?」「参院議員のままでの総裁選出馬は?」「それとも参議院のドンになる?」など、政治記者というより週刊誌の記者顔負けの質問を繰り出してみました。世間では口達者な人物として評される世耕さんですが、私が持っている印象は、初対面のときからずっと「寡黙な人」。そして意外なほどに聞き上手な人です。この日の彼もまさしくそれで、私の話をしっかり受けつつ、自分がなすべきことについて語ってくれました。さっきの質問についての答えはもちろんありませんでしたが、彼の政治への思いは十分に伝わってきました。
 会食の終盤、私は「冗談はさておき」と、先ほどからの下世話な質問ではなく日頃感じていることを伝えることにしました。簡単にまとめると、日本を良くしたいとの姿勢は伝わるが、その原点に和歌山への思いを滲ませてほしい。その意味でおじいさん(弘一氏)、おじさん(政隆氏)は立派だった。そんなことを生意気にも申し上げました。世耕さんはいつも通り、静かに頷きながら聞いてくれました。
 歳だけは先輩の私からの話はこれでおしまいと、再びよもやま話に花を咲かせてこの日は散会。私は世耕さんからもらった『村上開新堂』のクッキー缶を片手に銀座のクラブに立ち寄りました。「一緒に食べよか。」私のことばに、ホステスのみんなからは今まで聞いたことのないような歓声が。不思議がる私に彼女たちは「このクッキー缶、予約で1年待ちはざらなんですよ。」と教えてくれたのでした。

村上開新堂のクッキー缶(同社HPより)