昭和62年(1987)、和歌山製材工場のプレカットへの移行を決断した際、三菱商事関連会社社長らと会食のため赴いたのが、仙台という街とのご縁の始まりでした。
仙台空港に降り立ち、迎えの車で仙台駅へ。そこから仙台一の繁華街である国分町へ向かいます。夕食後に同行者が案内してくれたのがバー『VAT JR(バットジュニア)』。現オーナーの大松澤さんが店長を務めていた時代で、その日はカンパリソーダを注文したことを憶えています。
VAT JRはその後、すぐ近くのビルに移転し、大松澤さんがオーナー兼店長に。この頃になると、前沢牛ステーキ、ハイシライス、お土産ではヒレカツサンドとフードメニューも評判となり、連日大勢の客で賑わうようになっていました。
以来、36年あまり。仙台に行けば立ち寄る馴染みのお店の一つなのですが、この店の本当のすごさは大松澤さんのお酒にまつわる人脈の広さと深さ。棚に世界でただ1本、英国王室御用達のスコッチウイスキー『Theロイヤルハウスホールド』の大松澤さんネーム入りボトルが置かれていることだけでも、推して知るべしでしょう。
さて、今年初めての仙台。所用と夕食を済ませたあと向かったVAT JRで思わぬサプライズがありました。オーナーのネーム入りボトルについて同行者に話していたところ、後ろから「宮本さんのも世界でひとつだよ。」との声が。実は私のキープボトルには、オーナーとお揃いのボトルカバーがかぶせられているのですが、うち私用のカバーに「MIYAMOTO」と名前が刻まれているというのです。これまで毎回、カバーを纏ったボトルのお酒を飲んでいたにもかかわらず、ネーム入りと知ったのはこのときが初めて。聞けば、ネームを入れてくれたのは20年以上前のことだというのですから、恥ずかしいやら、情けないやら。
同時に、そんなこと、これまで一言も口に出さず気遣いをしてくれていた大松澤さんに感謝ゝゝの夜でした。
よろずやジロー、きょうのひとこと。
VAT JR、福寿司、佐勘。
私にとっての仙台最強トリオです。