よろずやジロー~宮本次朗【プレカットの宮本工業グループ相談役】のブログ

プレカットの宮本工業グループ相談役、宮本次朗の一代記。人生を彩る貴重な出会い、感銘を受けた言葉を振り返りつつ、明日を語ります。

木材団地の共有私道にまつわるエトセトラ②

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県有化された団地内道路。

 恒久的な維持管理の確立を目指して始まった、共有私道の公道化プロジェクト。権利者の承諾をようやく取り付けた私たちは、和歌山県・市に対して寄付を受け入れてくれるよう陳情しました。ところが県も市も回答は「No。」私道は自己管理すべきとの原則と財政難を理由に難色を示したのです。5回、6回と陳情を重ねても回答はやはり同じでした。
 最初の陳情から1年以上が経った2005年6月、私たちは「これが最後。」との覚悟を持って和歌山市役所を訪ねました。そして当時の大橋建一市長に団地の窮状を訴えたところ、「市としてできるだけのことをしましょう。」とありがたい言葉をいただけました。その後、市が準公道として管理する案が議会に示され通過。06年6月をもって移管が完了しました。
 さて、これでめでたしめでたしとしたいところですが、実はまだ続きがあります。そもそも木材団地は県が分譲したものであり、その中を走る道路は本来、県に帰属すべきではないか。であれば、市の厚意に甘える形での解決は本当の解決ではない。市が道路の補修をやってくれる度、その思いは増していきました。あるとき、木材業界の代表として知事と会談することになった私が、こうした思いをぶつけると、仁坂吉伸知事は「県に移管しましょう。」と即断即決。道路は既に市所有の準公道になっているため、その後県と市による協議が重ねられ、2012年1月に県への移管が実現しました。
 1967年の団地完成から45年。ついに念願の県有化が成った元共有私道は、現在も我々木材に携わる者の生命線として機能してくれています。

 よろずやジロー、きょうのひとこと。
 飲水思源。
 感謝の念に堪えません。