よろずやジロー~宮本次朗【プレカットの宮本工業グループ相談役】のブログ

プレカットの宮本工業グループ相談役、宮本次朗の一代記。人生を彩る貴重な出会い、感銘を受けた言葉を振り返りつつ、明日を語ります。

全国制覇への挑戦

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社の成長をテーマにしたモニュメント。道まだ半ばか。

 当社は1995年までに千葉、和歌山、仙台のプレカット工場で造作材を除く全商品一括納材体制を確立しました。その結果、年間生産実績で日本一を達成するに至りましたが、一方で他社のプレカット参入も相次ぎました。これは製造技術に関して当社が特許を取得せず、プレカットによる住宅建設の普及を優先したことが背景にあります。つまり、自らライバルを増やすことを選択したのです。パイオニアとして常に業界の一歩先を進むという自負の表れなのですが、競争が熾烈を極めるようになったのも事実です。
 プレカットの普及が進むなか、当社も営業力の強化を迫られました。そこで私は95年2月に日本プレカットシステム株式会社(NPS)を設立しました。NPSは材料の仕入れ先を当社に限定せず、現場に近い提携工場を活用してコストを抑えることに主眼を置く子会社です。支店を当社3工場に併設、福岡、大分、熊本、鹿児島にも営業所を開設して受注に努めました。
 目指すは全国制覇。提携工場の設立・技術支援にも注力しましたが、バブル経済の終焉で住宅着工件数は軟調に推移し、当初の目標とは裏腹にNPSは軌道修正を余儀なくされました。具体的には九州の4営業所を閉鎖し、仕入れ先も当社に絞り込むなど、まずは守りを固めました。宮本グループとしても、経営方針発表会で3工場3支店全てでの黒字転換を公約。企業理念の「執念」を全社員が再認識することで反転攻勢の機を窺いました。その結果、99年9月期決算で黒字転換を実現し、NPSも創立以来、急激な伸びこそないものの安定した成長を続けています。
 こうしたなか、NPSは住宅に代わる新たな部門への進出を模索してきました。なかでも木造非住宅は、これまで鉄筋オンリーだった大規模施設を木造化するもので、当社は早くからそのポテンシャルに注目。法律の整備で建設が認められるようになって以降、公共施設を含む各種建造物の受注をいただいています。
 目指すは全国制覇。いったんは懐にしまい込んだ目標ですが、捲土重来、新ジャンルを開拓しパイオニアになることで、再びその目標を掲げる日が来ることを信じています。

 よろずやジロー、きょうのひとこと。
 引くも兵法。

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