社長が社長であるだけでは成長できない。常に経営者としての自覚を持ちながら事にあたって初めて成長することができる。私が社業を推し進めていくうえで心してきたことです。
具体的には、①会社を潰さない、②会社に貢献している社員を守り抜く、③人、物、金、情報、ノウハウといった経営資源をうまく使う。これらを心がけることで一定の成果を上げてこられました。
一方、幹部には幹部の、一般社員には一般社員の、成長するにあたって守るべき心の持ち方があります。例えば幹部であれば、決断、即断する覚悟が必要ですし、社員には指示待ちではなく、自分で考える姿勢が求められます。
それでは、会長から相談役へと役割が変わった自分が成長を目指すとすればどうすればいいのか。先ほどからの論からすれば、相談役には相談役としての心の持ち方があるはずです。そう考えるうち、孔子の言葉が頭に浮かんできました。「鄙事多能」。誰でもできる些細なことを器用にこなす能力。または、難しいことをするより簡単なことをきちんと処理できることの方が素晴らしいといった意味の言葉です。仕事に当てはめれば、自分のやろうとしていることが正しいか間違っているかをシンプルに判断し、正しいことをひたすら続けていくことの大切さを説いているように私には思えます。
そこで、
①相談役としての役割を常に考える。
②前に進むことも反省することもできるよう、常に謙虚に。
まずは、社業を俯瞰する立場としての行動指針をこう立てました。
そしてさらに、
③ライバル意識を忘れない。
④いくつになっても理想を忘れない。
ビジネスの場で持ち続けてきたブレない気持ちはそのままに。
⑤ひと、モノを大事にする。
これらを旨とすることで、世代交代における「良き先例」を作ろうと、今まさに努力しているところです。
よろずやジロー、きょうのひとこと。
相談役は、なにぶん初めてなもので。