よろずやジロー~宮本次朗【プレカットの宮本工業グループ相談役】のブログ

プレカットの宮本工業グループ相談役、宮本次朗の一代記。人生を彩る貴重な出会い、感銘を受けた言葉を振り返りつつ、明日を語ります。

雲は流れ旗はたなびく

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その日の私は多分こんな感じで・・・。

 先日、当社の幹部が深刻そうな表情で私の執務室を訪ねてきました。案の定、危機的問題の発生です。ただ、騒いだとて解決するものでなし。相談役として、自らの経験と照らし合わせながら、アドバイスを送りました。
 皆が去った後、隣の役員室に移動し椅子に腰かけた私は、何とはなしに窓の外の景色を眺め始めました。よく晴れた青空を、筋雲が東北東に向かってゆっくりと動いていきます。その雲が当社のポールに掲げられている日の丸、安全第一、社章の3つの旗の向こうを横切ると、それに交差するかのように旗が南にたなびきました。「なんと優雅な光景だろう」流れるような一連の動きに思わず見とれるとともに、昔、製材所を引き継ぐことになった際、社旗がはためくような会社にしたいと願ったことを思い出しました。その後も浮かんでは消える雲とともに、いろんな思いが私の胸にも浮かんでは消えていき、気付けば1時間半余り、私はぼんやりと空を眺めていました。
 「そういえば、人間、ぼんやりしてもいいと書いていた本があったな」我に返った私は、読書録も兼ねた10年日記を取り出し、朧げな記憶を辿りつつページをめくりました。すると平成10(1988)年8月16日の欄にその本『小さなことにくよくよするな!』(リチャード・カールソン著)についての記載が見つかりました。当時書いた内容の概略はこうです。
 たとえ1時間でもぼんやりする時間をつくってみると、退屈な気分はゆったりとした気分に変わる。ただ、これは何時間も怠けて過ごすということではない。1日数分でもいいから「何もせず、ぼうっと」することでリラックスのコツが身に付くとある。テクニックはいらない。ただ、窓の外を眺めたり、自分の考えや感情を見つめるだけでいいらしい。
 そう、私は図らずも、30年以上も前に読んだ本にあったように、窓の外を眺めながら自らと向かい合っていたのです。

 よろずやジロー、きょうのひとこと。
 それでリラックスできたかって?
 件の問題が気になり、結局その夜は一睡もできずじまいでした。