よろずやジロー~宮本次朗【プレカットの宮本工業グループ相談役】のブログ

プレカットの宮本工業グループ相談役、宮本次朗の一代記。人生を彩る貴重な出会い、感銘を受けた言葉を振り返りつつ、明日を語ります。

謹賀新年

f:id:yorozuyajiro:20201228152311j:plain

当社の令和3年日めくり。

 新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。
 当社の新年の行事に新年式があります。仕事始めにあたって経営陣が今期の必達目標に対する経過報告をするとともに、残り9ヶ月の戦術を全社員に熱く語りかけます。式終了後、皆が「今年の抱負」をしたため掲示板に貼り出すのもならわしになっています。私ももちろん毎年抱負を記すわけですが、直近の2年でいうと、2019年は「上意下達」、2020年は「止足の戒めを守る」としました。(※)
 そして2021年、今年の抱負は「示唆に富む」。このことばは「和尚の体験談は示唆に富む話ばかりだ」など、いろいろと勉強になるという意味で使われます。本来、抱負とするような主体的・能動的なことばではありませんので、補足するとすれば「示唆に富むと思われるような助言を常にできる自分になりたい」といったところでしょうか。相談役の肩書が3年目となる自分への叱咤のメッセージととらえてもらえれば幸いです。
 さて、このことばを持ち出したのは他でもありません。しばらく相談役を務めるうちに私は、経営の鉄則には“今も昔も変わらない”ものと“今と昔では大違い”なものがあるということにあらためて気付かされました。例えば、会社のため家族のため社員のために命懸けで頑張るというのは、古今東西問わず経営者に求められる姿だと思います。一方、そうしたがむしゃらさとともにいま求められているのは「そもそも自社が社会に求められる存在であるか」「自社のやっている仕事はあと何年続けられる内容か」を俯瞰し、客観視する力だと思います。企業の社会的役割が昔以上に問われるようになったのは厳然たる事実。ですから現在の経営者は、自社の存在価値を社会に対して常に提示していかなければなりません。そのうえで現在の仕事の余命を察知し、今後有望な分野への展開や新規事業の開拓などを計画的に進めていく必要があるのです。
 そう考えると、これからの経営者は大変です。前回のブログ(※)にも記したとおり、社会の変化のスピードがどんどん速くなっているなか、経営者に必要な“今も昔も変わらない”ものと“今と昔では大違い”なものを身に付けなければならないのですから。そこで今年の抱負「示唆に富む」。今と昔をともに生きている立場から、相談役として何気なく皆にアドバイスしていけたらなと思っています。

 よろずやジロー、きょうのひとこと。
 今年は丑年。
 されど牛歩と言われぬよう、何事もスピード感を心がけます。

 

※2020年1月1日付ブログ『謹賀新年』参照。