よろずやジロー~宮本次朗【プレカットの宮本工業グループ相談役】のブログ

プレカットの宮本工業グループ相談役、宮本次朗の一代記。人生を彩る貴重な出会い、感銘を受けた言葉を振り返りつつ、明日を語ります。

プレカット実用化へ①

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「木造の軸組をプレハブ化できれば。」プレカットはそんな思いから生まれました。

 スマホやTVゲーム機が当たり前の今の若者はともかく、ある世代以上の人はプラモデル作りに興じたことがあるでしょう。プラモデルは、あらかじめ加工されたパーツを組み立てて完成させるもの。これを住宅に当てはめると、あらかじめ加工された部材を組み立てると完成することになります。
 戦後日本において、この"あらかじめ加工された部材"を用いることで飛躍的に伸びたのが、いわゆるプレハブ住宅です。組立鉄筋コンクリート構造の『プレコン』に端を発し、大和ハウスによる鉄鋼系プレハブ住宅『ミゼットハウス』で普及が進んだプレハブは、その後、木質系も登場。1960年代以降、国内住宅市場の主流となりました。一方、在来工法と呼ばれる木造軸組工法は、プレハブ全盛時にあっても、いわば大工の腕ひとつ。角材を現場で加工し、熟練の技で建てていくというのが常識でした。
 さて、1980年の千葉工場新設で再割事業へのシフトを強めた当社ですが、次なる課題はその再割からの脱却でした。私はそもそも再割の時代は早晩終わりを告げると考えており、次の"何か"を求めつつの関東進出だったのです。
 そんなある日、大阪で木材の墨付けを工場でやっているところがあるという話を耳にしました。墨付けというのは、大工が木材加工のための目印を入れる作業のこと。大工はこの目印に合わせて『刻み』を入れ、家を建てていきます。従来、これらの作業は全て現場で行われており、それを工場で行うとすれば、"在来工法のプレハブ化"に他なりません。再割の次はこれかもしれないと直感した私は、すぐその工場に向かい、見学をさせてもらいました。しかし、そこで行われていたのは、ラインに流れてくる木材に職人が手で墨付けを施すという工程でした。

 よろずやジロー、きょうのひとこと。
 感じて信じて行動する。