よろずやジロー~宮本次朗【プレカットの宮本工業グループ相談役】のブログ

プレカットの宮本工業グループ相談役、宮本次朗の一代記。人生を彩る貴重な出会い、感銘を受けた言葉を振り返りつつ、明日を語ります。

広重、北斎、そしてゴッホ

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ゴッホ作、タンギー爺さんの肖像油彩のひとつ。

 東京出張からの帰途、京都で下車して祇園画廊から京都文化博物館、細見美術館と絵画鑑賞のはしごをしてきました。このうち、文化博物館では歌川広重、葛飾北斎、伊藤若冲ら作品を展示する『百花繚乱ニッポン×ビジュツ展』が、細見美術館では『広重・北斎とめぐるNIPPON』が開催中で、彼らの木版画の数々を堪能することができました。
 その翌日、会社の相談役室で未決済箱の書類を整理していると、フィンセント・ファン・ゴッホのタンギー爺さんの絵が目に入りました。UCカード会員誌『てんとう虫』10月号の表紙で、誌面ではゴッホが特集されていました。それによれば、タンギー爺さんの肖像油彩のうち、背景に浮世絵を配したものは2点現存し、その元絵の多くは広重・北斎のものだそう。京都で現物を見てきてすぐに、今度はゴッホの絵の背景で二人に再会するとは、これも何かの縁。少しは勉強しておこうと書物をめくりました。
 とりあえず、タンギー爺さんの右後ろに咲く満開の桜の絵の原作者である広重について。広重は、火消しの安藤家に生まれ、家督を継いだのち浮世絵師に。風景を描く木版画の第一人者として西洋の画家に影響を与えた。とくに彼の描く青色はジャパンブルー、ヒロシゲブルーと呼ばれ、評価が高いと。そういえばモネの睡蓮の絵に出てくる橋も、広重から題を取ったと聞いたことがあります。
 未決済箱にゴッホの表紙の冊子があったのは、京都の夜を堪能するうち版画のことを忘れそうになった私を、誰かが戒めようとしたためだったのか。そんな空想を巡らせた、ある日の朝でした。

 よろずやジロー、きょうのひとこと。
 銀座もいいけど、祇園モネ。