よろずやジロー~宮本次朗【プレカットの宮本工業グループ相談役】のブログ

プレカットの宮本工業グループ相談役、宮本次朗の一代記。人生を彩る貴重な出会い、感銘を受けた言葉を振り返りつつ、明日を語ります。

母校での初講演と緊張の2ヶ月間

全校生徒を前にしての講演。

 「皆さんがなお一層幸せになっていただけますことをお祈り申し上げて、私のつたない話はこれで終わらせていただきます。ありがとうございました。」私がそう話を結ぶと、会場の中高生700人あまりから大きな拍手が。今まで感じたことのない、熱いものがこみ上げてくる瞬間でした。
 令和5年3月17日、舞台は和歌山市太田にある和歌山県立向陽中学校・高等学校の体育館。私は高校時代を過ごした母校で、大勢の生徒を前に初めて講演をしました。きっかけは昨年秋。仁坂前和歌山県知事の著書である『ブルネイの蝶』と拙著『ジロー物語』を寄贈したところ、校長先生からお礼の電話をいただきました。そして、併せていただいたのが「本校の先輩として、また和歌山を代表する経営者として生徒たちに話をしてもらえないか」という講演のご依頼。これまで各方面から同様の依頼があっても全てお断りしていたのですが、母校となるとそうもいかず。今年に入って正式に依頼があった際、ありがたくお受けすることにしました。在校生だった頃は遊んでばかりで勉強もせず軟式野球の練習に明け暮れていた場所に、まさか講演をしに来ることになるとは、人生何があるか分からないものです。
 さて、思い切って話を受けてはみたものの「いったい何をどう話せばいいものか。そもそも、今の中高生が私の話など聞いてくれるだろうか」など、湧いてくるのは不安ばかり。そこでまず、生徒たちに前もって私について知ってもらえるよう『ジロー物語』(第1巻)を差し上げることにし、中高の在校生(各1・2学年)709人分すべてに宛名と私のサインを書き入れて学校にお渡ししました。並行して行ったのが、話の組み立てを練ること。不慣れな身としてはこれが大変な作業で、何度「家を組み立てる方がどれだけ楽か」と思ったことか。講演までの2ヶ月間というもの、会食の場にいてもゴルフに興じていても頭に浮かぶのは当日話す内容のことばかり。メモを書いては破り捨てを繰り返すうち、朝を迎えてしまったことも三度ほどありました。
 そしていよいよ講演当日。幼少の頃、中学校の頃、向陽での思い出、大学時代、仕事の話・・・。原稿に頼らず、なるべく普段通り話をしよう。そう腹を括って壇上へ。「おはようございます。」大きな声で私があいさつすると、生徒たちからも「おはようございます。」と大きな声で返事がありました。その声で一気に緊張が解け、途中何度か言葉に詰まりながらも体験談をお話しすることができました。また、講演後の質疑応答では6件もの質問が寄せられ、後輩たちと楽しくコミュニケーションを取ることもできました。
 思い返せば心地よい緊張感に包まれた、あっという間の約1時間半。そこに至るまでの日々は自身にとって重苦しいものでしたが、大変貴重な体験をさせていただけたと思っています。校長先生はじめ関係者の皆様にこの場を借りてお礼申し上げます。

追記 『ジロー物語』Ⅰ・Ⅱを学校宛て、若干部ですが寄贈しました。また、私事ながら、3年E組の第58回同窓会を11月19日に開催します。

花束と記念品をいただきました。