よろずやジロー~宮本次朗【プレカットの宮本工業グループ相談役】のブログ

プレカットの宮本工業グループ相談役、宮本次朗の一代記。人生を彩る貴重な出会い、感銘を受けた言葉を振り返りつつ、明日を語ります。

四国へのゴルフ旅

2021年のコンペにて。

 観光、郷里への帰省に修学旅行と、どんな計画を立てるにしてもコロナの感染状況とのにらめっこが続く日々。私たちの業界も例にもれず、恒例の行事が次々に中止に追い込まれてきました。しかし、なかには関係者の尽力で開催に漕ぎ着けたイベントもあります。今回はそんな催しの一つにまつわるお話。
 愛媛県新居浜市に『新居浜カントリー倶楽部』というゴルフ場があります。霊峰・石鎚山の麓、瀬戸内海を望むロケーションで、住友林業のルーツである別子銅山に隣接しています。ここで例年、年末に開かれる住友林業のゴルフコンペは、全国の取引先幹部らが集う一大イベント。前夜祭とコンペには岡本綾子さんの他、30人に及ぶ現役女子プロ選手が参加する豪華な催しです。2020年は件のコロナ禍で中止の憂き目に遭いましたが、去年は無事開催されました。私は数十年にわたり参加させていただいているのですが、実のところ、このコンペへの参加が日々の仕事への最大のモチベーションになっています。なぜなら、この場に立てるということは、主要取引先である住友林業との関係が良好であり、ひいては業績が順調であることの証左だからです。
 さて、そんなコンペへの交通手段はここのところ専ら鉄路。岡山駅で在来線に乗り継ぎ、特急『しおかぜ』で新居浜に向かいます。鉄道を利用すると、行きも帰りもちょうど夕暮れの瀬戸内海を車窓から眺めることになるのですが、その時間が私にとっては至福のひととき。「今年はあんなこともあった。こんなこともあったなあ。」と一年間を振り返ったり、過去の記憶を辿ったりと、いろいろ思いを巡らせます。ときには嫌な思い出も頭をよぎりますが、楽しみな、そして楽しかった2日間がそれらを払いのけ、私の心を穏やかに締めくくってくれるのです。
 去年の復路もそうでした。65年も前に父が私に言った「お前は本当に親の心子知らずやなあ。」の声が響いてきます。「それは反対やで。親は子供の頃を経験してるんやから、あるとしたら子の心親知らずや。」反論する私に父は「誰の子や、屁理屈ばっかりこねてからに。」あのとき内心「あんたの子や。」って叫んだよなあ・・・。
 あれ!?自分はそのあと子の父になり「親の心子知らずや」って思いはしなかったか?「子の心親知らず」になってはいないか?ざわつく気持ちを、しかし電車の振動と瀬戸内の海のさざ波が中和し鎮めてくれます。「そう、何事も客観的に考えないとね」いつになく冷静に物事を考えられる私がそこにいました。

2019年のコンペにて。