よろずやジロー~宮本次朗【プレカットの宮本工業グループ相談役】のブログ

プレカットの宮本工業グループ相談役、宮本次朗の一代記。人生を彩る貴重な出会い、感銘を受けた言葉を振り返りつつ、明日を語ります。

大先輩が教えてくれた人生のバイブル

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中村天風の著作をただいま再読中です。

 夜、翌日やるべきことを6つ書き出し、重要度が高い順に並べる。翌日、その順に作業をこなし、夜になったらまた翌日やるべきことを並べる・・・。
これが20世紀前半にアメリカのコンサルタント、アイビー・リーによって考案された効率の良い仕事のやり方です。
 私も以前から実践しているのですが、時折、このルーティンによって翌日の懸案が心にまとわりつき、夢にまで出てきて睡眠不足に陥るのが玉に瑕。とはいえ仕事の効率改善に役立つのは確かなので、私の場合は夢見が悪くならないよう、気持ちがスカッとするビデオを見てから眠るようにしています。適しているのは『暴れん坊将軍』や『水戸黄門』など、分かりやすい勧善懲悪型の時代劇。これらはアイビー・リーを実践するしないに拘わらず快眠につながるので、睡眠不足の方にもオススメですよ。
 さて、こうした私の「眠る前の作法」ができたきっかけは、ある大先輩のことばでした。もう半世紀も前のこと。彼が私に「次朗さん、あんたはまだ若いから理解できにくいかもしれないが、私は日常の心得として、中村天風(1876~1968年)先生の説く心がけを実行しているんだよ。」と教えてくれたのです。
 具体的には、
①寝る前に今日あった出来事のうち、悲しかったこと、腹の立ったこと、気がかりなこと。すなわち消極的なことは考えず、楽しかったことだけを考えるようにする。
②目覚めたとき、コップ一杯の水を飲む。
③礼節を重んじ、感謝という言葉を忘れない。
④世の中、何が起きるか分からないから、常に有事(火事、地震、事故など)に備える。
こういった内容でした。そして彼は「これが大人の一日の過ごし方なんだよ。」と付け加えたのでした。
 当時はなんとも小難しいことをいう人だと思ったものですが、のちに私は『成功の実現』『盛大な人生』『信念の奇跡』などに代表される天風の著作を読むようになりました。そしてその考えを自分の習慣、考え方のベースとしてちょいちょい取り入れているのですから世の中不思議なものです。例えば、①の寝がけの心得は連想暗示法といって積極的なことを連想すること。次の日への活力を蓄えるには欠かせないルーティンです。天風の著作には命令暗示法というのもあり、それは例えば「次朗、お前は信念が強いんだから、もっと自信を持て。そうすれば気力が充実するはずだ!」と自分に“命令”すること。これもまた、いつの間にか私の習慣になっていました。その他にも②の目覚めの際に行う断定暗示法。寝る前にかけた暗示を追認するもので、先の例で言えば「次朗は今日強くなってる。」と、自分に対して声掛けをします。③④も当たり前のことのようでいて、実は常に心がけていないと実際の行動に移せません。
 半世紀も前に触れ、いつしか自身の血肉となっていた中村天風の教え。そのきっかけになってくれた大先輩に感謝。

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