よろずやジロー~宮本次朗【プレカットの宮本工業グループ相談役】のブログ

プレカットの宮本工業グループ相談役、宮本次朗の一代記。人生を彩る貴重な出会い、感銘を受けた言葉を振り返りつつ、明日を語ります。

タイム・イズ・マネー

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飛行機 vs 新幹線、あなたはどちら派?

 「時は金なり」といいます。ビジネスの世界においては、なんといっても時間を有効に使うことが金=稼ぎに直結するのです。
 当社には千葉・仙台の両工場があります。そのうち、まず千葉工場ができた昭和55(1980)年当時、和歌山⇔千葉の移動は専ら新幹線でした。関西国際空港がまだなかったので、新幹線での所要時間が約6時間、飛行機が約5時間20分と大差なかったのが理由です。また昭和60(1985)年の日航機墜落事故の際、間一髪で搭乗を免れたあとからは、父から飛行機の利用を避けるよう厳命もされていました。※
 このため、平成2(1990)年に仙台工場ができてからも飛行機はなるべく利用しないよう心掛けていたのですが、状況が変わったのは平成6(1994)年。関空が開港し、同時に関空⇔羽田、関空⇔仙台便が就航したことで再び空の便を使うようになりました。なんといっても時間の効率が違います。和歌山の本社と千葉工場がドア・トゥ・ドアで約3時間30分。仙台に至っては、新幹線利用の2分の1、約3時間しかかからないのです。
 飛行機を使うことで、仙台工場を訪ねた当日に東京に移動し、翌日は千葉工場で仕事という動きも容易になりました。すると仙台と千葉の間に銀座での接待も挟めるのですから効率は満点です。まさにタイム・イズ・マネー。私はいつしか、年間100回は飛行機に乗る生活を続けるようになっていました。
 しかし還暦を過ぎ、また会社での役割も会長になった頃、私に心境の変化が起き始めました。「時は金なり」とは、時間自体が価値あるものとする考え方なのではないか。これまで自分は時間を大切に使ってきただろうか。そんな思いが次第に強まってきたのです。そしてあるとき、普段なら飛行機を使う機会に新幹線に乗ってみると・・・。機内では全く読めなかった本が、行き帰りで一冊読み切れるではありませんか。多忙で寝不足なときはぐっすり寝るのも一興。以来、時間に余裕があるときや出発を早めれば飛行機でなくとも間に合うときなどは新幹線を利用するようにしました。「電車は邪魔くさいってあれだけ言ってたのに。」家族からそんなことを言われるようになって、はや10年ほどが経っています。

 よろずやジロー、きょうのひとこと。
 タイム・イズ・マネー。
 同じ言葉でも捉え方はさまざまですね。