よろずやジロー~宮本次朗【プレカットの宮本工業グループ相談役】のブログ

プレカットの宮本工業グループ相談役、宮本次朗の一代記。人生を彩る貴重な出会い、感銘を受けた言葉を振り返りつつ、明日を語ります。

会議を変える。会社が変わる。

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 勝負の帰趨(きすう)はどうあれ、会社にはトップダウンが必要なとき、もしくはトップダウンでなければ前に進めないときがあります。ただ、その段階を過ぎると、今度はボトムアップなくして会社の成長は望めません。そこで重要になってくるのが会議です。
 ところで皆さんは会議が好きですか。私は大っ嫌いです。大半の方も「あまり好きでない」とお思いでしょう。そして嫌いな理由は「退屈だから」「どうせ結論は決まっているから」といったところでしょうか。たしかに、会議を開く立場からすると、「どうせ結論は決まっている」はあながち間違いではありません。議題には経営トップの意向がそもそも反映されているからです。それゆえ、会議の多くは資料の“読み上げ会”と化し、進行係の「何か質問はありませんか。」の問いに出席者が無言で応えて終了してしまいます。
 さて、こんな会議でボトムアップが実現するでしょうか。答はもちろん否。そこで私は試行錯誤を重ね、ひとつのスタイルに辿り着きました。それは質問者の係を作るとともに、進行係にも常に具体的な問いかけを求めるというもの。質問者の係は、たとえ自分は分かっていても全員の理解が進むよう質問を出します。私の場合、もっぱら私自身がこの役割を担っていました。また、進行係は「何か質問はありませんか。」などと聞いてはいけません。必ず「○○について、どうすればいいと思いますか。」といった問いかけをすることで、すべての出席者が常に議題について考えるように仕向ける任を帯びるのです。
 一方、参加者全員に主体的な議論への参加を求めるからには、会議を開く側にもそれなりの準備が必要です。会議での最大のタブーは、参加者は「これは自分に関係ない」「これは誰かがやるだろう」と思わせてしまうこと。例えば、全校集会で修学旅行の詳細な説明を始めたら、対象者以外は誰も話を聞きませんよね。ですから、議題に合わせた参加者選びを徹底し、会議に呼んでいるのはあなたがその場に必要だからというメッセージをきちんと伝えることが重要です。
 こうして、かつて行った会議改革は現在に受け継がれています。ちなみに、そのことを確認するのはもっぱら会社の廊下。換気のため扉を開放したまま開かれている会議の議論に耳を傾けてみると・・・。見事に役割分担ができていることが分かるのです。

 よろずやジロー、きょうのひとこと。
 廊下で聴く会議。
 参加しないことも、今の私の仕事のひとつ。

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