よろずやジロー~宮本次朗【プレカットの宮本工業グループ相談役】のブログ

プレカットの宮本工業グループ相談役、宮本次朗の一代記。人生を彩る貴重な出会い、感銘を受けた言葉を振り返りつつ、明日を語ります。

東京なら帝国ホテル、仙台なら・・・

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『佐勘』ホームページより引用。

 当社の仙台工場から約25分のところに千年近く続く秋保温泉があります。工場の建設中だった1990年(平成2年)頃からかれこれ30年、私は湯治を兼ねて年10回ほどのペースで訪ねています。一番のお気に入りで、仙台の常宿にしているのが『秋保温泉ホテル佐勘』。創業約8百年、歴史ある温泉街の中でも老舗中の老舗とされる名旅館です。そんな佐勘への久しぶりの逗留が決まってわくわくしている折も折、歴史といえばとばかり、当社の75年史の骨格が固まってきました。
 前回の50年史に続き私にとって2度目となる社史編纂ですが、その作業を始めるにあたって気になったのが他社の歴史。なんでも世界には創業千年を超す企業がいくつもあり、しかもその大半が日本にあるんだそうです。千年前の日本といえば平安時代で、藤原道長が我が世の春を謳歌していた頃ですから、考えるだけでも気が遠くなる話です。そこで、もう少しイメージが湧く年数、創業200年を超す企業の数を調べてみました。するとあるわあるわ、2020年3月現在で3千あまりに上るそうです。その数にも驚きましたが、もうひとつ興味を覚えたのが、これらの老舗の多くで先代の名前を継ぐ襲名が行われているということ。先に紹介した佐勘も例に漏れず、初代当主から現在の34代目まで佐藤勘三郎の名を受け継いでいるそうです。
 歌舞伎役者の例を持ち出すまでもなく、襲名はたんに同じ名前を名乗るだけのものではありません。先人が積み重ねてきた社会的信用とそれに裏打ちされたブランドを受け継ぎ、また次の世代へ引き継いでいくという儀式といえるでしょう。つまり、名を継ぐ者は、その名に恥じない生き方を常に求められるのです。窮屈といえば窮屈な話ですが、老舗の風格はそうして醸成されていくのだと思います。
 一方、当社の歴史はまだ75年。光楠、私の跡を継いだ3代目の哲治がまずは100年企業を達成し、100年史を発刊してくれることを願うばかりです。

 よろずやジロー、きょうのひとこと。
 秋保温泉は有馬・道後と並ぶ日本三名湯のひとつ。
 みなさんもぜひ一度。

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瑞巌寺で知られる名勝松島。

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青葉城の伊達政宗像。