よろずやジロー~宮本次朗【プレカットの宮本工業グループ相談役】のブログ

プレカットの宮本工業グループ相談役、宮本次朗の一代記。人生を彩る貴重な出会い、感銘を受けた言葉を振り返りつつ、明日を語ります。

P&Fの確立を目指して

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現場の施工を担うのが大工・フレーマー。

 木造住宅の着工件数が頭打ちとなるなか、当社はじめプレカット業界は木造非住宅の需要喚起に努め、グロスでの売上増に結び付けています。その一方で近年、ハウスメーカーを悩ませているのが”大工不足”の問題です。東京五輪、大阪万博などビッグプロジェクトが続くこともあり、建設業界は慢性的な人不足に陥っているのです。
 こうしたなか、当社では運送と施工のハイブリッドともいうべき、人材の掘り起こし、再構築を目指しています。具体的な例でお話ししましょう。当社工場で製作したプレカット材は、委託運送会社の運転手が夕方、翌日現場で使用する部材を「宵積み」します。そして翌朝、現場と往復し、また宵積みするという流れです。この際、現場との距離にもよりますが、朝から夕方まで結構な空き時間が生まれます。となれば、1日の稼働時間の範囲内で、運転手が現場での施工に携わることができれば、人手不足の解消につながるのではないか。おおまかにいえば、そんなアイデアです。
 大工仕事は基本4人ひと組。このユニットの一部を運送側の人材が担うことで、総ユニット数を増やすことができます。ハウスメーカーの中には木造軸組工法に新規参入する会社もあるので、ユニット増は当社建設部にとって大きな強みとなるでしょう。
 もちろん、運転手やその他スタッフのフレーマー化には、研修・資格取得などクリアすべき課題は多くあります。ただ、それを乗り越えるためのコスト、労力を惜しまなければ、運送会社、ハウスメーカー、そして当社のいずれにも大きなメリットが生まれるはずです。
 運送各社との合弁会社を作る案をはじめ、最善策を見付けるための取り組みが社員間で今進んでいます。いずれにしても、自社の目が届く、手が届くP&F体制の確立は、私にとって20年来温めてきたアイデア。なんとしてでも実現してもらいたいものです。

 よろずやジロー、きょうのひとこと。
 近江商人に倣い、目指すは”三方”良し。

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翌日の作業に向け行われる「宵積み」。