よろずやジロー~宮本次朗【プレカットの宮本工業グループ相談役】のブログ

プレカットの宮本工業グループ相談役、宮本次朗の一代記。人生を彩る貴重な出会い、感銘を受けた言葉を振り返りつつ、明日を語ります。

社員は家族

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2018年の初午祭。家族館前で社員とともに。

 本社社屋の一角に設けた福利厚生施設は『家族館』といいます。社員は家族という考えに基づいて私が命名しました。内部は大小会議場と展示ホールからなり、現在は主に新年式、入社式、経営方針発表会など社内行事の会場として、また貸会議室として活用しています。
 さて、この家族館にはいろんな思い出が詰まっています。本社社屋の竣工記念パーティーを開いたこと。立食とはいえ、400人が入るキャパシティを実感しました。社員の結婚式の披露宴。100人がテーブルに着きました。他にも社員総出の忘年会を開いたり、社員向けカルチャー教室を開講したり。そういえば、デンマーク王国の文化相ご一行をお迎えしたのもここですし、近くにある県立和歌山工業高校の生徒さんが見学に来られる際、集団研修の場となるのも家族館。当社にとって家族館は、社員同士の親睦の場であるとともに、外部のみなさんとの触れ合いの場でもあるのです。
 そんな家族館ですが、竣工した際、私はM商事の幹部の方から「これでお金は稼げるの?」と尋ねられ、「即、稼ぐことにはつながりませんが、信用は稼げます。」と啖呵を切ったそうです。自分ではよく憶えていないのですが、同席していた銀行の担当者がこの会話を聞いていて、のちに「宮本さん、ええこと言うなあ。」と話してくれました。得意先の方によくもまあと反省すべきところですが、この台詞に嘘はありません。多額のお金をかけた家族館は、デール・カーネギーが言う「笑顔は1ドルの元手もいらないが、100万ドルの価値を生み出す。」とはいきませんが、目に見えない価値、長い目で見たときの大きな価値があると信じています。
 木材業界では長らく「事務所では飯は食えない」という現場至上主義が叫ばれていました。しかし私は、営業部門、総務部門も合わせ、全社を挙げて社業を盛り上げるべきと考え、新社屋、そして家族館の建設に踏み切ったのです。県内でいち早く完全週休2日制を導入したのもその頃。「社員は家族。」そんな考えに合わせてこしらえた職場で、今も多くの社員が働いてくれていることは、私の人生で最も大きな喜びの一つです。

 よろずやジロー、きょうのひとこと。
 先行投資。
 文字通り、成果はあとから付いてくる。