よろずやジロー~宮本次朗【プレカットの宮本工業グループ相談役】のブログ

プレカットの宮本工業グループ相談役、宮本次朗の一代記。人生を彩る貴重な出会い、感銘を受けた言葉を振り返りつつ、明日を語ります。

海外で受けた刺激

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当社玄関前の『クッサーボール』。

 当ブログ『あの日の父』の回に掲載した、私と父の写真を撮ってくれたのがK銀行のY元頭取です。そのYさんとはかれこれ40年のお付き合いになります。
 当社プレカット事業の本州3拠点体制が整い、建設部を新設したのが1991年。その2年後、自社での施工を増やしていくために何をすべきか、新たな課題が見えてきた93年のある日、私はYさんの香港視察に同行しました。宿泊先のホテルに到着すると、何やら大きな石でできた直径1mほどの球体が、カウンターの近くで勢い良く回転しています。聞けば、大理石でできたクッサーボールというものらしく、水圧で廻る仕組みになっているんだそう。私は重量を感じさせない滑らかな動きに魅せられ、ホテルの方にいろいろ尋ねました。その結果、ドイツで作られていること、日本には一つもないことが分かり、私は後日購入することにしました。
 船便で何カ月もかかって届いた実物は、ボールが1tに土台が2t。なぜそんな重くて奇妙なものに魅せられたのか、自分でもよく分からぬまま、私はそれを会社の玄関前に設置しました。自分なりの解釈として最初私は、土台を自分、その上で廻る球を社員になぞらえ眺めていました。ところが数年前になって、見え方が逆転しました。つまり、土台が社員、その上で転がるのが自分のように思えてきたのです。同じものでも自分の心持ち、考え方によって見え方が変わる。そんな一面に、当時は気付かぬまま魅力を感じて購入したのかもしれません。
 香港視察から約1年後、Yさんとはニューヨークにもご一緒させていただきました。その際、メトロポリタン美術館を訪ねたのですが、ルーブル、オルセーなど他の美術館で感じたのとは全く違う感動に出会うことができました。何か新しいことにチャレンジしようという自身の気持ちが、メトロポリタン美術館が持つ先進性と響き合ったのでしょう。帰国後、私は建設部の可能性を信じ、リフォーム部門であるリフミック株式会社の設立を決断します。

 よろずやジロー、きょうのひとこと。
 芸術は何なんだろう。
 でも好きだな。