よろずやジロー~宮本次朗【プレカットの宮本工業グループ相談役】のブログ

プレカットの宮本工業グループ相談役、宮本次朗の一代記。人生を彩る貴重な出会い、感銘を受けた言葉を振り返りつつ、明日を語ります。

人間万事縁と運② 阪神・淡路大震災での命拾い

f:id:yorozuyajiro:20190325152949j:plain

今も玄関に飾っている那智黒石。枕元に飛んできた小ぶりの方は捨てました。

 紀伊続風土記にその名が初めて記されたという那智黒石。碁石や装飾品などに使われる石で、我が家では以前、幅高各40~50cm、約25kgあるものを玄関に飾り、枕元に近い台の上には、幅高各20cm、約5kgのものを花瓶と並べていました。
 当社が販売強化のため日本プレカットシステム株式会社を設立した1995年。この年の初めに母を送り出しました。地震、雷、火事、お化け。何につけても怖がりだった母にとって、逝去の1週間後に神戸を襲った阪神・淡路大震災を知らずに逝ったのは幸いだったと、当時を思い返す私です。この大震災は震源から比較的遠い和歌山にも大きな揺れを起こしましたが、当社工場への影響は軽微な損傷にとどまりました。
 一方、我が家では。寝起きのまどろみのなか、下から突き上げるような突然の揺れに襲われた私は、自分のベッドと家内のベッドの間の隙間に転げ落ち、10分ほど身動きができませんでした。家内が無事であることを確認した後、ようやく起き上がった私は窓を開け、まだ暗い空を見上げました。ようやく夜が明け始め、室内がぼんやり見渡せるようになったとき、私は自分の枕の上に、何やら黒いものがあるのに気付きました。よく見ると、それは枕元から1mほどの台の上にあった那智黒石でした。直下型地震の強い揺れは、約5kgの石を突き上げ、私が頭を置いていた枕まで吹き飛ばしていたのです。その石と同じく、我が身も吹き飛ばされたおかげで、私は怪我をすることもなく無事を得たのでした。まさに生きるも死ぬも紙一重。そう実感した瞬間です。

 よろずやジロー、きょうのひとこと。
 人間万事塞翁が馬。