よろずやジロー~宮本次朗【プレカットの宮本工業グループ相談役】のブログ

プレカットの宮本工業グループ相談役、宮本次朗の一代記。人生を彩る貴重な出会い、感銘を受けた言葉を振り返りつつ、明日を語ります。

癒しの空間

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我が家のリビングにて。

 我が家の日めくり。ある日のことばがイギリスの哲学者ベーコン(1561~1626)のものでした。曰く「家は中に住むために建てるのであって、外から見るためではない。」このことばに触発され、今回は中身をじっくり見てみようと、近くの住宅展示場を見に行きました。
 日本の住宅は、住めれば良しという戦後の焼け野原の時代から大きく変化してきました。幾度かの大地震の経験から耐震性能の向上が図られ、デザイン・住み心地も格段に良くなりました。全ての観点で成熟時代に入ったといえるかもしれません。
 そんな素晴らしい造りのモデルハウスを順に見学しながら、これらは全て「癒しの空間」たり得ているのだろうかと思いを巡らせました。というのも、私の父は常々、「家は3戸建てて一人前。でも3戸建てても100点満点の家はできない。」と、家づくりの難しさをこぼしていました。そして結局6戸を建てましたが、その6戸目にして、やっと自己採点がほぼ満点になったというのです。木を生業としてきた父が何に満足がいかなかったのか。私には永らく謎だったのですが、私自身、家を3戸建てたことでようやく分かってきました。ベーコンの言葉通り、いくら見た目を良くしても、住み心地、使い勝手が悪ければ満点を付けられないのです。
 私の場合、自己採点は1戸目が60点、2戸目が80点ぐらいでしょうか。そして3戸目にして満点を付けられるようになりました。これは、見た目はともかく、住んでいて快適、便利に感じられるからに他なりません。しかし、満足を得るまで3戸も建て替えるのはもったいない話。建設も生業としている私としては、これを教訓としないわけにはいきません。
 振り返ってみれば、住まいに対する満足度は、新築時をピークに下がっていく一方でした。それも、家が古くなっていくのだから当たり前と思っていたのですが、どうもそうではありません。家族の年齢、家族構成が変わっていくにつれて使い勝手が悪くなっていくこと。そこにこそ問題点はありました。となれば、話は早い。そもそも家を建てる際、家族を取り巻く環境の変化に合わせ、簡単に安価にリフォームできる家にしておけばいいのです。この確信をもとに、わが社では現在、フレキシブルな住まいづくりを進めています。

 よろずやジロー、きょうのひとこと。
 家庭、会社、宿泊ホテル。
 どれも癒しの空間と思える私は幸せ者。

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